2021.11⑥

2022年1月16日 日常
秋田・青森旅行記改め、津軽。【五 奥入瀬渓流】

 奥入瀬渓流は青森市街地からバスでおよそ二時間の場所にある。この日も朝が早く、7:45頃のバスに乗るべく、6:30の朝食開始に合わせて6時に起床した。普段より少々睡眠時間が短く、身体の重さも残っていたが、一日の行程に大きな支障を来すほどのものではないと感じられた。朝食バイキングでは土地のものとしてせんべい汁やりんご酢を賞味したが、何か大会でも開かれているのか、複数の都道府県から来ているであろうバスケのジャージを着た女子高生を多く見かけた。
 この日のバスはJR運行であり、この本州奥地にありながら、首都圏のものも含め交通系電子マネーを利用できるのは非常に好印象だった。前日の「捨てる神」とは大違いである。座席にも電源が備えられていたため、スマホは充電済みではあったが電池消費を短期的に極小化すべく改めて充電しておくことにした。今までは長期的な電池への悪影響に鑑みてそのようなことはしないことにしていたが、今回実施してみて、旅行中の電池の安心感の観点では利点しかないように感じた。
 奥入瀬渓流は八甲田山のそばにある。バスに乗りながら八甲田山雪中行軍のWikipediaを読んでいると、カーブの多い坂道の影響で若干気分が悪くなってしまった。しかしながら、10:00頃に奥入瀬渓流の中ほど、石ヶ戸(いしげど)で下車して間もなくすると体調は回復した。どうも朝食を控えめにしたのがよくなかったらしく、幾分かチョコを口にしたら体調が良くなったのだ。ここから約9kmを十和田湖に向かって「進軍」する。
 始めこそ阿修羅の流れ、雲井の滝など、岩や倒れた樹木と水の織り成す風景に心動かされながら調子良く進んでいたが、前日の十二湖とは異なり、渓流沿いの遊歩道の隣にはすぐ車道が走るという趣のなさと、結局似たような風景の繰り返しとで、コースの半分を過ぎた頃にはOも自分も飽きを感じてしまっていた。「結局のところ自然はフラクタルだな。同じような風景が続いて当然だ」などと言葉を交わしていると、自然の一部たる自分の人生も所詮は俯瞰的に見ればフラクタルなはずであり、しからば夫婦仲が悪いのも必然で、仮に他の女性とやり直したところで同じ目を見るのだろうと憂鬱な気分になった。さはさりながら、装着したGarminによればストレスレベルが前日の十二湖以来の「アクティブ」を示しているところに鑑みても総じて悪いウォーキングではなかったと思う。付記しておきたいのは、前日の十二湖よりも泥濘が多く、普段使いのスニーカーにしなくてよかったと思った点、アメリカ人らしき外国人が多く、おそらく三沢基地の住人だろうと思った点、それからベトナム系の集団も見かけ、彼らは実習生だろうかと思いつつ、車で要所要所だけに止まって写真撮影などをしているところを見るに、そのような観光もありだと思った点である。特に最後の点に関しては、フラクタルを強く感じ始めてから一層その思いを強くした。
 また、フラクタルを感じ始めた頃から残り時間も気になり始めた。噂によると2時間半で終着地十和田湖に到着するとのことだったが、どう見ても間に合いそうにない。3時間や3時間半という説もあったとのO談により、その説を採用しつつ、わずかな電波でGoogleマップを開き、12時頃の時点で残り51分との数字を希望に歩を進めていった。最後の見どころ銚子大滝では何とか二人の写真撮影も依頼でき、相手からも依頼されるのではないかとひやひやしていたがそれもなく、起点から3時間少々かかって13:00過ぎに十和田湖畔に到着した。稲庭うどんの店などもあったが、次に乗るバスまであまり時間はなかったため、その場で作ってくれるきりたんぽを売店で購入し、湖畔のベンチで食すに留めた。Oは奥入瀬ビールも購入していたが、飲み切れないとのことで半分ほどもらい、一口で飲み切ってしまった。今回はさすがJR、我々を置いていくような真似はせず、無事に酸ヶ湯温泉に向かうことができた。

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