「いまでも私は、いよいよ生活に困ったらヨイトマケを
やって生きて行こうと思う事があるくらいだ。」

買ったのは6年以上前。
確か夏休みに読む用として。
『海と毒薬』と迷ってこちらを買った。
(ちなみに『海と毒薬』も最近読んだ)
当時中3でほとんど本を読んでいなかった自分には全然読めず、
長い間お蔵入りとなっていた。

で、ここまで「染み染み」と心に響いたのは『肉体の悪魔』以来だ。
(そもそもあまり本とか読んでないけど)
こんな小説でやられるなんて自分もまだまだ「青い」わけです。
内容は言うまでもなく、構成が好きだ。
章が分かれていて、なんということのないエピソード、
しかしそのエピソードからの決して逸脱ではない、むしろ
敏感なる感性によって導かれるある想念。
引用、書きさし。
太宰が太宰であることを知って読むと尚更。

柄谷行人曰く、「明るさが暗さを喚起し、暗さが明るさを喚起する世界、(中略)
微妙な光と影の世界である。」と。
(『風をあつめて』につづく)

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や

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