化学

（1年前はあれほどやっていたのに）

1．
「寒い！こんなんならカイロ人間になってしまいたい！あれ、ところでカイロってどういう仕組みだったっけ？」
「酸化還元反応だよ。塩水やら鉄やらでサビがどうの、じゃなかった？」
「あーそうだったそうだった。それなら老化だね、老化。」
「老化？」
「老化でカイロ人間、これ最強。『うわーこいつめっちゃ熱発してるよ！しかも物凄い勢いで皺くちゃになって老化してやがる！』、みたいな。あれ、還元剤って何があったっけ？」
「硫化水素とか違ったっけ？」
「もうそんなん覚えてねえしー。まあ何でもいいけどさ、
その熱を発し切って皺くちゃになってぼろぼろになったカイロ人間をさ、還元してやんの。そしたらもっかい使えるぜ。何度でもあったかい！」

2．
（そうやって私は全肯定してしまうのか？）
中和。
「ほら、大学とは打って変わって、ってやつよ。
中和大事。まじ重要。
なんつうか、大学のあの環境、心がくすぶるっていうかさ、
やっぱり普通じゃないじゃん。だからやっぱり
中和のためにはそういった環境も必要なんだよね。思うに。
これで俺もきれいな水になれる！」